ただ「やらせる」だけで終わっていませんか? ―小学校受験対策における“量”と“質”の考え方―

皆さん、いつもお世話になっております。

小学校受験コーチのかけるです。

いよいよ3月も終盤を迎え、新年度がすぐそこまでやってきましたね。

お子さんが年長さんになるご家庭にとっては、いよいよ受験本番の年。

年中さんになるご家庭では、これから本格的に土台を築いていくタイミングかと思います。

この節目のタイミングで、ぜひ皆さんに問いかけたいことがあります。

それは、

「目の前の課題を、ただ何となくこなしていませんか?」

ということです、

私自身、日々たくさんのご家庭と個別面談をさせていただいていますが、

「毎日出された課題をこなすことで精一杯です」

「ドリルをたくさん渡されたので、ひたすら取り組んでいます」

といった声をよく耳にします。

もちろん、課題を真面目にこなす姿勢は大切ですし、一定の成果にもつながるでしょう。

ただし、ここで一度立ち止まって考えていただきたいのです。

その日々の取り組みは、「意味のある学び」になっているでしょうか?

毎日の課題に対して、「何のために取り組んでいるのか」という目的意識を持って取り組めているでしょうか。

“こなす”だけでは力にならない

個別面談をしていると、よくこんなお話を伺います。

「塾の宿題がたくさん出ていて、それをこなすので精一杯です」

「ドリルやプリントをひたすら解かせています」

「毎週絵を描いて提出する課題があるのですが、子どもはあまり気が進まず、いやいや描いています」

こういった状況は決して特別なことではありません。

多くのご家庭が、「出された課題にきちんと取り組まなければ」と一生懸命になるあまり、いつの間にか“こなすこと”が目的になってしまっていることも少なくありません。

確かに、塾から出される課題には意味があります。

信頼できる先生方が、お子さんの力を伸ばすために考えた課題だからこそ、丁寧に取り組んでいただきたいのは当然のことです。

ただ、問題なのは、「その課題の目的が理解されないまま、習慣的にこなすだけの作業になってしまっていること」なのです。

お子さんにとっても、「またこのプリントか」「何でこれをやるんだろう?」といった疑問がわかないまま、ただ椅子に座らされて課題に向かっている状態では、学びが定着しにくくなってしまいます。

受験対策のカギは“目的意識”

小学校受験においては、「量」も「質」も、どちらも大切です。

ただし、ただ量をこなしても、そこに“質”が伴っていなければ、力は思うようにつきません。

では、その“質”とは何か。

それは、「なぜこの課題をやるのか」という目的意識を、親御さん自身がきちんと持てているかどうかです。

たとえば、毎朝のプリント学習。

「塾の宿題だから」と何となく取り組ませるだけでは、お子さんの力にはつながりにくいです。

一方で、「この問題は志望校でよく出るタイプだから」「この分野がまだ苦手だから」と、目的を明確にして選んだ課題に取り組むことで、同じ一枚のプリントでも、学びの質はぐっと高まります。

ここで大切なのは、「ただ基礎から順にやる」のではなく、「わが子に必要なレベルとタイミングを見極めること」。

たとえば、数量の分野で「10まではできるけど、15以上になると分からなくなる」といった場合でも、小学校受験では15以上の数が出ることはほとんどないので、そこに時間を使うのであれば他の苦手分野の対策に時間をかけた方が賢いでしょう。

また、同じプリントでも、「今日はどんなところに気をつけてやる?」と問いかけをしてみたり、「間違えた問題、何が難しかった?」と振り返る時間をとることも、質の高い学びにつながります。

絵画や制作も目的意識が重要

絵画や制作も、同じことが言えます。

「毎週一枚、絵を描いて提出してください」と塾から言われていて、何となくお題を決めて、何となく描かせている…。

そんなご家庭も、実は少なくありません。

もちろん、絵を描く経験を積むことは大切です。

しかし、その一枚が“目的を持った経験”になっているかどうかが、最終的な成果を大きく左右します。

例えば、お子さんが人物の動きの表現が苦手なら、「運動会の場面」など、動きが求められるテーマをあえて選んでみる。

背景が描けないなら、風景を含むテーマを設定してみる。

こうして意図を持って課題を設計することで、「1枚の絵」が練習になると同時に、受験本番の力に変わっていきます。

制作課題についても同様です。

たとえば、紙工作や折り紙、ひも結びといった課題は、単なる手先の練習ではありません。

切る・折る・貼るといった一連の動作を通して、計画性・集中力・創意工夫・手順を守る力など、さまざまな力が育まれます。

「完成させること」がゴールなのではなく、「どんな手順でどう工夫したか」「どの工程で難しさを感じたか」といった部分に意識を向けると、制作という体験は、より意味のある学びの場になります。

私が制作課題の保護者向けの解説動画をつけているのもそのためです。

「この課題では、ここに注目して見てください」

「この工程で、こういう観察力が求められています」

といった出題者の意図を知ることで、親御さん自身もお子さんをどうサポートすべきかが見えてきます。

また、できあがった作品に対して「どうやって作ったの?」「ここ、工夫したね」と声をかけることで、お子さん自身も自分の試行錯誤を振り返りやすくなり、自信や達成感につながっていきます。

目的意識の共有かもポイント

お子さんにもその課題に取り組む“目的”を伝えてみることも時に効果的です。

といっても、難しいことを言う必要はありません。

「このプリント、ちょっと難しいけど、お兄さんお姉さんが行く学校でよく出る問題なんだって」

「この工作は、手先を上手に動かす練習になるよ。本番でも似たようなのが出るかもしれないね」

こんな一言で、お子さんは「なんとなくやる」から「目的を持ってやる」へと、自然に意識が変わっていきます。

目的がわかると、取り組み方も変わります。

集中力も増しますし、自分が“がんばっている理由”が見えることで、自信や達成感にもつながっていきます。

忙しくなる時期だからこそ
“目的意識”を大切に

年長さんになると、本当にやることが増えてきますよね。

幼稚園・保育園の行事や、保護者のお仕事、家事、さらには学校説明会や願書の準備、面接練習…。

受験のための対策以外にも、時間がどんどん取られていきます。

そんな中で、限られた時間をどう活用するかが、とても重要になってきます。

それはつまり、「今これをやる意味があるか」を判断し、学習内容や時間の使い方を見直すということです。

塾で出された課題も、市販のドリルも、何となく全部やるのではなく、

「わが子に今必要な力は何か?」

「どのレベルの問題を、どの目的で取り組むべきか?」

を考えるだけで、1日の学びの密度はぐんと高まります。

そのため、4月に入ったらより一層目的意識を見直す様にしましょう。

親子で“意味のある受験対策”を

小学校受験は、お子さん一人でできるものではないため、親御さんがしっかりと目的を持って見守り、支えていくことで、受験対策の質は大きく変わります。

今取り組んでいる1枚のプリント、1つの制作、1回の模試。

そのすべてが、“意味を持った経験”になるように意識していくことが、結果として合格に近づくだけでなく、お子さんの成長にもつながっていきます。

今の時期、ぜひ一度立ち止まって、「今、どんな目的でこれをやっているのか?」と見直してみてください。

限られた時間を最大限に活かす、“意味のある受験対策”を一緒に進めていきましょう。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

error: コンテンツは保護されています。